ホテル ホワイトキャビン

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麦秋

今は、二十四節季でいう小満芒種の間。

小満とは、すべてのものがしだいにのびて転地に満ち始める候で、今年は五月二十一日。
芒種とは、稲や麦などの(芒のある)穀物を植える候で、今年は六月六日。

そろそろ、麦秋[麦の熟する頃。初夏の頃]である。

最近、一面の麦畑を見ることは、あまりない。
麦類自給率がこれだけ低ければ、都市近郊ではお目にかかれないのは当たり前である。

先進国で最低の日本の食料自給率は40%である。
その中で、小麦は14%、大麦は8%である。(平成16年度)
40年ほど前は、小麦は28%、大麦は57%である。(昭和40年度)
データは農水省<品目別自給率の推移>より引用。

ちなみに諸外国の小麦の自給率は、オーストラリアは497%、カナダは311%、アメリカは207%である。

麦から作られるものは、たくさんある。
小麦からは、小麦粉・パン・うどん・醤油・ケーキ・お菓子などが、
大麦からは、ビール・焼酎・ウイスキー・麦茶・味噌などが作られる。

日本の台所を支えているものは、オーストラリア・アメリカ・カナダなどからの輸入小麦。
内外価格差で日本産小麦は圧倒的に不利である。

それでも、平成8年度には8%にまで下がった小麦の自給率が多少なりとも上向いたのは、食料自給率を高めようという政府の意識や内外価格差を埋めるために支払われている補助金等によるのだろう。

昔は、さんちゃん農業(農業就業者はじいちゃん・ばあちゃん・かあちゃんの三人)などといわれていたが、今はいっちゃん農業である。

農家戸数300万戸で、農業就業者数300万人。そして農業就業者に占める65歳以上の割合は58%(平成17年)。超高齢化である。
ちなみに日本の全人口に対する65歳以上の割合は17%(平成12年)である。
農林水産省高齢者対策-統計データより引用

こういう状況では、麦畑を望むのはもう無理なのだろう。

農業は国の基幹産業ではあるが、自由貿易に徹して、国内生産品より安い輸入生産物で、国民の食生活を支えていくのか、高関税をかけ補助金を出し続けても国内産の農作物を守るのか。頭の痛い問題である。